T−forum第2号 1999.5発行
目次
■TAMA女性センター開設にあたって(下記に内容掲載)
■今年度の研究部会活動の紹介
コミュニティ部会(松原友子)
まちづくり部会(寿崎かすみ)
■自己紹介(女性会員の自己紹介コーナー)
・梅田則子さん、椎名絵里香さん、山本紀子さん、鎌田菜穂子さん、定行まり子さん
■お知らせ
*今年度より「多摩ニュータウン学会女性会員交流会及び会誌」改め「T-forum」としてスターとします。多摩の「T」と気軽に「Tea」を飲みながら交流を深めたいという思いから名づけました。今後ともどうぞよろしく。
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「TAMA女性センター開設にあたって」
多摩市では本年9月中旬に聖跡桜ヶ丘駅前の再開発ビル内にTAMA女性センターが開設されます。女性センターの意
義やセンター開設までの道のりについて新井美沙子さん(会員)にご説明いただきました。
<今、なぜ女性センターなのか>
この秋、多摩市にやっと女性センターが開設されます。長い道のりでした。議会や懇談会での10年に及
ぶ議論の末での実現であり、感慨深いものがあります。
「何故、今さら女性センターが必要なの?」という声。この声はしかし、公の場では決して発せられるこ
とはありませんでした。だから余計にやっかいなのです。その疑問にはこう答えたいと思います。「今だに
女性問題(男性問題)が現として存在するのだから。男女平等社会の実現にむけて考え、実施しなければなら
ない課題がたくさんあるのだから。」 あれこれと論じているスペースは無いので、私もメンバーであるフェミネット(女性問題に興味を持つ女
性達のネットワーク)による、女性への暴力(ドメスティックバイオレンス・以下DV
)に関する各自治体 の実態調査を例にとってみましょう。
これは東京都の「DVの実態調査」で明らかになった、20%近い女
性がDVの被害者である、というショッキングな結果をきっかけに取り組まれたものです。調査対象は1
都5区7市。 ここでもいわゆる「三多摩格差」が明らかになりました。区部では女性センターと、暴力に関する相談
窓口があり、専門の相談員による件数の把握やPRもされています。市部ではセンターが少なく、従って、
相談員は不在で、実態がほとんど把握されていません。毎年、都の各地域から、暴力に耐え兼ねた1000
人を超える女性が、シェルター機能を持つ、都の女性相談センターへ紹介されています。市部では都から
派遣された児童相談員がDVの一端を見ているにすぎません。プライバシーの名の下に隠れているDVは、
男性の過度のストレスや児童虐待とも深く関係するといいます。
この問題ひとつを取っても、女性センターの必要性はわかるのではないでしょうか。女性も男性も生き
活きと暮らせる社会を作るにはまだまだ課題が多いのです。
(ドメスティックバイオレンス(DV):夫や親密な関係であり、また、過去にそのような間柄であった男性から女性に
向けられた暴力。)
<TAMA女性センター開設までのみちのりと今後>
今後女性センターを、どう運営し、どのような事業を実施するのか。多摩市では、市民公募による「女
性センター準備委員会」を設置しています。私もそのメンバーで、6月末には答申を出すことになってい
ます。 これまでの経過で評価できるのが、市民とともにセンターをつくる、という多摩市の姿勢です。委員会
に先立つ「男女共同参画懇談会」も、応募した市民全員により構成されました。両方ともアリバイ的なも
のでなく、企画から共に考えたい、という市の姿勢が現われており、委員の合意が少なからず取り入れら
れました。(もちろん、ハード面や予算で限りはあるのですが)これまでの議論について、若干紹介しまし
ょう。 まずTAMA女性センター条例について。これまで、条例の制定に向けて、議会に案を提出する前に、市
民の意見を聞いて、市の素案を変更した例があったでしょうか?名称、目的、事業内容など喧喧諤諤の議
論で、かなり変更し、それはその後、議会を無事通過しました。また、女性施策の専門の所管である「男
女平等推進室」の設置。課長職1名、担当2名のたった3名ですが、やっと実現しました。
事業内容は他
市の調査に基づき、細かな提案をしましたが、これは今後の宿題です。更に大きな課題はその運営方法で
す。市民の運営委員会を提案していますが、これは最後の委員会での議論で結論を出すことになっていま
す。
市の方針としては、当初は市の直営、その後市民による運営に切り替える可能性を探っている、と言う
ところのようです。私たち市民も力を付けなければならないと思います。
(1999.5 新井美沙子)
多摩市では、4月の女性週間記念行事として大日向雅美氏の講演会も行われ、参加された会員のコメン
トもrainbowに掲載されました。今後、センター開設を記念して市民実行委員会方式のオープニングイベ
ントも企画されており、これらに参加された方々のご意見、また、新しい男女の行き方等についてのご意
見を次号でも取り上げていきたいと考えておりますので、多くの方のご意見をお待ちしております。
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