活動計画の前置きが長くなりましたが、具体的な計画は次の通りです。活動は主に次の3つの分野で進めます。
①謎解きシリーズの一環としての研究・発表会
②ニュータウンのまちづくりに関する証言集め
③家族や一般市民も楽しめるタウンウオッチング
これらの活動がそれぞれ「資料保存プロジェクト」の遂行に沿うように努めたいと考えています。
<活動計画>
1.謎解きシリーズ
資料保存プロジェクトで示した3つの柱のうちの、3番目の「研究イベント」に位置付けられる活動です。
2006年1月に開催した「謎解き多摩ニュータウン」は、ネーミングも含めて一般の市民に親しみやすく、今後ニュータウン学会が実施する研究イベントのブランド(看板)にしたらいいのではないかという提案を受け、シリーズ化を図ることにしました。会員の成瀬惠宏さんが理事会あてに出された提案書を元に、理事会内のワーキンググループで議論し、計画を練りました。
その結果、多摩市立図書館との共催イベントとして、一般市民参加型の「謎解きニュータウン~蔵出し資料を読む」を年2回程度実施。さらにキーパーソンを招いて、より研究的な色彩を濃くしたシンポジウムを年2回程度、計4回程度の謎解き企画を実施したいと考えています。
多摩ニュータウンは完全買収の制度を用いた人工的なまちづくりにその大きな特徴があるわけですが、それ故に、住宅のデザインや間取り、幹線道路の形状から公園の並木1本に至るまで、その時代の計画者の意図が盛り込まれているわけで、そうした意図が実際実現したのかどうか、あるいは時間の経過とともにどう変容しているかを検証することが、次のまちづくりを考える上で、大事なことだと思います。
また、難しい理屈は抜きにして、自分たちの街の成り立ちを知ることはとても楽しいことであり、市民参加型のまちづくりを進める上でも大切なことです。
謎解きシリーズはこうした問題意識に立って行う企画で、自分が住む、働くまちに秘められた謎を解く面白さをみんなで共有し、研究につなげようという試みです。
本年度最初の謎解き企画は、多摩市立図書館と共催する「第2回蔵出し資料を読む」で、9月23日(土)午後5時半から多摩市立永山図書館の閲覧室で行います。テーマは「道」「橋」「公園」のハード3本立て。「尾根幹線はなぜあんなに広いのか」「たくさんある橋のデザインはだれがどうやって決めたのか」「公園にある不思議な小山はどうしてできたのか」といった謎に、それぞれ選び抜かれた謎解き人がチャレンジします。担当理事は篠原が務めます。
多摩ニュータウンの開発にかかわったキーパーソンを招いてのシンポジウムは、11月ごろ実施しようと考えており、西浦理事を中心に計画立案中です。
その後、3月ごろに本年度2回目(通算第3回目)となる「蔵出し資料を読む」を計画しています。
来年5月には2007年度定期総会に併せて、恒例のシンポジウムを開きたいと考えていますが、ここでは、すでにメーリングリストなどでも議論になっている「市町村合併を視野に入れた行政の連携」をテーマにしたいと考えています。これも西浦理事を中心に企画を練ります。