多摩市ではここ数年、新図書館計画、パルテノン多摩改修工事、多摩中央公園改修工事 、レンガ坂改修工事など多摩センターの中核施設の整備計画が進んでいます。 それらのうち、レンガ坂改修工事の工事説明会が10月2日に多摩センターの リンクフォレストで開催されました。
 参加者は50名くらいでしょうか。これまで、社会実験としてレンガ坂の課題を抽出する ワークショップは開催されていましたが、計画内容が明らかになるのは今回が初めてだ と記憶します。
 その上、工事の前提となるユリノキの伐採実施がこの10月、11月と目前に迫っているこ とを知り、市民からの要望や提案を提出するにはあまりに時間がありません。それで、その改修工事の内容についてみなさんに知っていただき、なんとか現状のレンガ坂の持つ良さを少しでも残す方向の提案ができないかと思い、関心のある方にこのズーム検討会に参加いただきたくご案内する次第です。

〇日時:2021年10月7日(木)19時~21時
〇報告:横山裕幸(横山環境計画事務所・多摩市鶴牧)
〇司会:荒又美陽(明治大学)

 参加希望者は、(1)氏名(2)会員か非会員か(3)メールアドレスを事務局office@tama-nt.orgにお知らせください。折り返し、Zoomのアドレスをお送りします。

 <レンガ坂問題について>
 多摩センター駅南に位置する多摩中央公園と商業施設クロスモールの間を南側に伸びるレンガ舗装とユリノキの並木により特徴付けられる延長約250m、幅員約15m、勾配6%の歩行者専用の坂道です。
 多摩センター駅から南の鶴牧落合地区の住宅地に至る歩行者専用道の始点としてゲート的な機能を持つため、多摩センター地区でも特に重点的な景観計画がなされていました。
 ただ近年、浅根性のため風害などを受けやすいユリノキの倒木や、自転車特に電動自転車の普及によりこの坂道を疾走する自転車交通が増え、歩行車と自転車の動線整理が問題となっているほか、舗装のレンガタイルが雨の日に滑りやすいなど、主に安全性確保の視点からの課題が指摘されてきました。
 今回の改修は、隣接する中央公園改修や新図書館の建設と合わせて、これらの課題を解決すべく立案されたものです。
 このようなことから、今回事業の最大のポイントは、ニュータウン計画の中でも特に秀でた景観的価値を有する諸施設と、近年顕在化しつつある安全性を中心とした課題の解決をどのように調整していくかという点にあると思っています。
 この点について今回の説明会で示された案は現況課題の解決に注力してはいるのですが、30年以上の時間をかけて醸成され親しまれてきた地域の代表的な風景の保持という視点はほぼ皆無ということで問題提起させていただいた次第です。
 今回事案に関わらず今後、多摩ニュータウン内のさまざまな施設のリニューアル、リノベーションが必要となってくると思いますが、安全性を始めとする課題解決と多摩ニュータウン開発で生み出され今では貴重な遺産として価値を有する諸施設の調整をどうとればいいのかという問題かと思っています。