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多摩NT学会とは?

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設立趣旨書

2006/04/25
現在、多摩ニュータウンは新たな転換期にあります。世界都市東京の西郊に広がる丘陵を開発してできあがった多摩ニュータウンは、入居開始以来すでに四半世紀が経過しました。この間の社会の変化に伴い、その性格も単なる東京のベッドタウンから、業務都市、学園都市の機能を併せ持つ多機能型都市へと変化してきました。ニュータウン人口は現在17万人を超え、「新山の手」と呼ばれる良質な住宅地域が形成されつつありますが、その一方で、開発初期の入居地区では人口の高齢化や小・中学校の統廃合等、開発当初には予想しにくかった新たな現象も様々生じてきています。また、行政上、八王子・町田・多摩・稲城の四つの自治体にまたがる多摩ニュータウンは、広域行政の「実験の場」としても大いに関心を集めています。

このように多摩ニュータウンは、計画当初より各方面から注目され、域内の大学ではニュータウン関連の公開講座・シンポジウムが開催され、多摩ニュータウンを知りたいという地元の方々の要望に応えてきました。しかしながら、こうした試みはいずれも単発的で継続性に欠け、その成果が蓄積されることが少ないために、それを惜しむ声が参加者や研究機関の方々から多く寄せられてきました。

そこで、ニュータウン開発以前からの歴史・文化を継承し、新たに学び・創る「郷土の学」として、また「地域創造の学」として、多摩ニュータウンを研究する多摩ニュータウン学をここに提唱します。多摩ニュータウン学は、居住・生産・消費・文化活動の拠点としての多摩ニュータウンならびにその周辺地域で起こっている様々な社会現象・自然現象を、学際的・総合的に研究し、学問としての体系化を図るとともに、研究成果をニュータウン地域の生活と文化の向上に役立てることを目的としています。さらには、国内・外のニュータウンとの比較研究を通して、より広い視野から多摩ニュータウンをとらえることも目指しています。

以上の目的のもとに組織される多摩ニュータウン学会は、とりわけ次の三つの視点を大切にします。1)生涯学習と情報発信も視野に入れた、学際的・総合的アプローチによる研究・学習の視点。2)市民の立場で自主的活動として参加する生活者の視点。3)地域社会に貢献しうる調査・研究を行ない、それらに基づき政策提言を行なう社会貢献の視点。したがって、本会は、研究者はもちろんのこと、ニュータウン地域で生活する一般市民や企業・官庁の方々を始め、多摩ニュータウンに関心をもつ方であれば誰でも自由に参加することができる開かれた学会です。

経済のグローバリゼーションやインターネットの普及により、国境の持つ意味が消失しつつある今こそ、自分たちの生活地域をしっかりと見つめ直すことが必要であると考えます。多摩ニュータウンという新しく造られた地域を対象とし、市民・研究機関・事業者・行政等が協同して研究・学習するという新しい試みを通して、持続可能な地域社会創りに貢献できる新たな地域学としての多摩ニュータウン学を構築しようではありませんか。その研究・学習・実践の場としての多摩ニュータウン学会の設立を、ここに提案します。

1997年3月15日
多摩ニュータウン学会発起人一同

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