<はじめに>
多摩ニュータウン学会の2006年度の具体的な活動計画を、7月29日の理事会で決定しました。昨年度からの継続案件もありますが、新入会員も増えてきたことから、あらためて、活動の狙いも含め計画を説明したいと思います。
2006年度の大きなテーマとして、「資料保存プロジェクト」に取り組むことにし、活動のほとんどはこのプロジェクトの枠内に入ることになります。また本プロジェクトについては、5月の総会時のワークショップ冒頭で、昨年度の理事会を代表して私から提案という形で報告、了承されました。
このプロジェクトは、多摩ニュータウンの都市計画決定から40年が経ち、旧公団(都市機構)と東京都が新規の開発事業を終えたことが直接のきっかけです。多摩ニュータウンはいまだ未完の部分を多く残しており、今後も官民が協力した地元主導のまちづくりが期待されるところですが、新住法による開発など従来型の開発の終焉とそれに伴う開発主体の撤退によって、関係各機関が所有している貴重な資料が散逸していく可能性があることが懸念されます。
そこで、そうした資料を保存、さらには活用する道筋をつくることが、これからの多摩ニュータウンのみならず、全国の計画的なまちづくりに取り組んでいる人たち、機関、研究者にとっても大事ではないか、そしてそのために多摩ニュータウン学会が積極的に調整役となろうではないか、という認識を持つに至ったわけです。   資料とは、多摩ニュータウン開発に関係するあらゆる記録、資料、報告書、書籍を想定しています。

さてこのプロジェクトは3つの柱から成ります。
①資料そのものの保存(働き掛け、収集、保存、活用、その方策づくり)
②証言集め(まちづくりのキーパーソン、一般市民)
③研究・広報活動(研究発表、イベントなどを通じた啓発活動)

皆さんもご承知のように、ニュータウン学会は常設の事務局を持つ組織ではありません。マンパワー、資金にも限界があります。一方で、大学や行政、民間、市民の枠を超えた広く連携した取り組みができることが特徴です。

(次回は体制づくりについて説明します)