「南大沢都市防犯」

齋藤@多摩大学です。

23日(土)に南大沢都市防犯ウォッチングをしてきました。実際にひだまり公園で被害にあわれた石川さんの生々しい体験談を中心に、(財)都市防災研究所の研究員、樋村さんをおむかえして「犯罪者」の視点で街を見直す、ということをしてまいりました。

すると、一見近代的で整ったニュータウンの街でも、思いがけない死角がたくさん隠れているということが見えてきます。

たとえば、駅から団地まで続く、長い長い歩廊空間。
階段が途中にあるのに、道からは死角となって見えず、誰かが隠れていてもわかりません。また、人通りが少なく、地番表示もないし、目に入る建物も遠い。したがって、万一おそわれたとき、自分がどこにいるのか警察に通報できない、といったことが考えられます。犯人は、あちこちの道路につながる階段などを下りて逃げることは容易です。

南大沢は特殊な設計で、自然を意識的に残しているところがあります。でもそこは昼でも薄暗く、隣が民家でなく、中学校の校庭だったりするので夜は本当に怖いだろう、と想像がつきます。

問題となった公園です。
ここは落書きも少なく、器物も新しく、一見すると安全なように見えました。ところが、以前は公衆トイレのまわりを目隠し板で覆っていたらしく、その陰にいた少年らしき2~3人に後ろからおそわれてしまったようです。たぶん、たむろしていた少年たちにタイミング悪く出会ってしまったのでしょうが、そのような機会犯(偶然、犯罪をおこす環境と被害者と犯罪者が出会ってしまう)にとって犯罪をおこしやすい空間だったわけです。現在は石川さんの被害を教訓に、目隠し板がはずされ、明るい照明につけかわっていましたが、この変更だけで数百万円かかったそうで、何ともやりきれません。

取り急ぎ、当日気がついたことを配信しましたが、のちほどまたゆっくりまとめて見たいと思います。

齋藤裕美 多摩大学 hiro@oak.timis.ac.jp