学生による研究発表

今回の研究発表は、学生が地域社会と連携して成果をあげた事例です。パワーポイントやデジタル映像を駆使して視覚的にも訴求効果の高いプレゼンテーションでした。ここで映像や数々の写真・図面をお見せできないのが残念です。

 

●中央大学細野ゼミ:
 多摩センター クリスマスツリーに関するイベント研究

クリスマスイベントを盛り上げて通常以上の集客を図り、街の魅了再発見やパブリシティ効果で街のブランドを向上させようと企画に取り組んだ。本プロジェクトのチームは、多摩地域に立地する中央大・東京工科大・恵泉女子学園・大妻女子大・法政大の学生約40名。これを「学術・文化・産業ネットワーク多摩」(大学・企業・行政・NPOからなる連合体)が後援してくれた。

「クリスマスは多摩で!」を合言葉に、多摩センター・立川・八王子を結んだイベント“Jingle Triangle Bell Festival” を企画・運営。多摩センターではクリスマスツリーの点灯式当日に、音楽演奏・クイズ&スタンプラリー・ゲーム露店などを開催した。サンタクロースが出演するゲーム露店では多くの子どもたちが楽しむなど、4千人の集客があった。(ビデオ上映で当日の状況を紹介)同様に立川・八王子でもイベント実施することで、それぞれの地域の独自性を出そうといういい刺激にもなった。

本イベントは、新都市センター開発・多摩センター連絡会・多摩市・地元企業等が連携して実現したもの。ご協力に感謝している。また、私たちはこの活動を通して、社会常識やフェイス to フェイスの(足を使って出向いて対面で話す)関係性の重要さを学ぶことができた。

イベントは継続してこそ意味がある。今後もクリスマスシーズンの多摩を盛り上げたい。

●多摩美術大学環境デザイン学科:
 多摩ニュータウン内保育園の園庭デザイン

環境デザイン学科では、5年前より産学協同のプロジェクトを取り入れている。社会のニーズに応える提案をしながら学ぶ。

2001年10月に、せいび保育園(八王子市)から園庭の改修を受託した。園の要請事項を汲み取ったプレゼンテーションを繰り返しながらデザイン設計を進めた。

コンセプトは、「水を楽しむ・緑を楽しむ・自然エネルギーを感じて遊ぶ」。園内に築山を作り、園庭の周囲には実のなる木々を植えて、敷地外との空間を分断。園児が遊びに集中できる空間を確保した。園外側では木々の下にベンチを置き、地域市民が憩える場とした。遊具は置かず、自然の地形の中で自分で遊びを作り出すような設計にした。築山の横に砂場を設け、井戸からポンプで水を汲み上げて、泥んこ遊びができるようにしている。築山の中央部分を大きなスロープにして滑り台的に遊べるようにした。その両側は、ロープや石を植え込んでよじ登れるようにしている。園庭全面を芝生で覆っているので、園児はどこでも転がりまわって遊べる。正面玄関には、ガラス素材を使って園名を掲示した。向こう側が透けて見えるので、ドシッとした存在感を持ちながら、圧迫感はない。玄関から園に入る小道には、コンクリートにビー玉を植え込んで、光が楽しめる導線とした。真夏の炎天下、コンクリートが固まる10分の間にビー玉を埋め込む作業には苦労した。

実際の施工は初めての経験だったが、ガラス科など学科を越えた協力や、学生仲間が総動員で手伝ってくれたこと、そして子どもたちが大喜びでビュンビュン遊んでいることが、何よりの成果であった。

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