このたび「多摩ニュータウンアーカイブプロジェクト第1編」として、研究報告書をまとめました。

多摩ニュータウン学会はこの数年にわたって、多摩ニュータウンの計画立案から着工、そして時代の変化に伴う計画見直しなど一連の経過について、当時を知るキーパーソンらからの証言をとりまとめ、また貴重な資料類の保存を各関係機関呼び掛けるなどの「アーカイブプロジェクト」に取り組んできました。

今回まとめたのは、2007年に開催したシンポジウムやその後明星大学で計6回開催した公開研究会の発言録を中心に、その背景となる資料の紹介を兼ねた総合報告書です。A4判、モノクロで300ページあります。

編著者は都市設計工房の成瀬惠宏さん(元住宅公団)と明星大の西浦定継教授(本学会理事)で、本学会の総力を結集してまとめ上げました。

予算の関係で、まずは学会として限定100部を印刷し、一部3500円+送料で販売することにします。既に半分程度の予約が入っております。本報告書は、今まで世の中に出版されている多摩ニュータウン開発に関連するあらゆる書籍を網羅した内容となっており、「この機会を逃したら二度と入手できません」(西浦理事)。購入をご検討される方は、どうぞ早めに申し込んでください。

申し込み方法は次の通りです。

必要事項(お名前、送付先住所、連絡先電話番号、メールアドレス、必要部数)を、下記メールアドレスにお送りください。
e-mail office@tama-nt.org

郵便振替用紙を同封しますので、報告書到着後10日以内に入金をお願いいたし
ます。

報告書の内容は次の通りです。

【目次】
第1回市民シンポジウム 〔平成19(2007)年4 月15 日〕
-草創期をふり返りつつ多摩ニュータウンの“未来”を語る-
約 40 年間にわたった多摩ニュータウンの新住宅市街地開発事業を終えて ~街づくりからまち育てへ“住民力”に期待する~
多摩ニュータウン“謎解き”パネルディスカッション
昭和30 年代前半(1955~60)の南多摩丘陵一帯の社会状況
多摩ニュータウン開発前夜の東京郊外の都市計画状況
多摩丘陵のあけぼの/昭和30 年代前半(1955~60)の地元状況
多摩ニュータウン開発事業の立ち上げ“準備”状況
多摩ニュータウンに新住宅市街地開発法の適用
多摩市の“多摩ニュータウン開発事業”の受け入れ4 条件
紆余曲折の挙句に公団の“住宅団地”開発に土地売却
多摩村から見た「由木村の八王子への合併」事情の概観
新住宅市街地開発事業の“事業決定”そして着手
漸くの“事業決定”から多摩ニュータウン“第一次入居”へ向けての努力
多摩ニュータウン“第一次入居”へ向けての諸々の工夫と折衝
多摩ニュータウンに携わった個人的“思い”と今後への期待

第1回公開研究会記録集〔平成19(2007)年6 月16 日〕
-事業着手そして“低迷期”を乗り越えて第一次入居-
謎解き座談会/東京大都市圏計画における多摩ニュータウンの位置づけ
多摩ニュータウン開発構想の具体化の準備から事業着手まで
再び多摩ニュータウンへの鉄道新線乗り入れ事情
各主体にとって「多摩ニュータウンの開発目標」と“反省”の視点
新住宅市街地開発事業の“事業決定”から“第一次入居”へ向けての事業化

第2回公開研究会記録集〔平成19(2007)年6 月30 日〕
-第二次住宅建設ストップから『行財政要綱』制定へ-
謎解き座談会/第二次住宅建設ストップから行財政要綱制定へ
第二次入居へ向けての住宅建設ストップに至る多摩市の立場
足なしニュータウンの汚名返上へ多摩センター駅まで3年で乗り入れ実現
多摩市4 条件のうち最も遅れてしまった総合病院の開設
瓢箪から駒のように片付いた多摩・町田行政境界の変更
地元市の行財政問題の解決から第二次入居への取り組み経過
昭和50 年代前半(1975~86)頃の多摩ニュータウンを巡る状況

第3回公開研究会記録集〔平成19(2007)年7 月7 日〕
-真の“都市づくり”をめざして中興期の多彩な戦略へ-
謎解き座談会/真の都市づくりを目指す中興期の多彩な戦略へ
事業開始15 年・入居10 年ごろの多摩ニュータウン「計画・設計理念」の再構築
東京都施行の西部地区(南大沢エリア)に関する開発 経緯と背景
真の“都市づくり”をめざした中期の多彩な戦略の補足