堤 香苗(キャリアマム代表)

私は多摩CATVの「多摩探検隊」という番組を2年ほどお手伝いさせていただいたことと、繭ドームで行われる市民活動の活動団体と事務局の連絡役をやらせていただきました。それから、今多摩NTではインターネットを使ったいろいろなネットワークが出来ています。その中のひとつ、「ぽんぽこネットワーク」「多摩ネット」等に参加しています。また、先ほどお話された寿崎さんの調査でのサンプルの一人です。以上が多摩NTでの活動です。

私の個人的なデータを申し上げますと、永福町から5年前に多摩NTの永山地区に引っ越してきました。なぜ永山にしたかといいますと、ニュータウンの古い地域ではあるけれど、その分、街並みが成熟していて、大きな木があったのが非常に気に入って永山に住むことにしました。私の家族は夫と4歳になる男の子がいます。

<多摩NTでの活動>
現在はキャリアマムという会社をつくって、そこが私の活動の場となっています。この会社は在宅ワークや1万人のお母さんを考えることを目的としています。

会社を設立したきっかけは、私自身が子育てをすることになって、アナウンサーとしてテレビ局のような職場で働くのが大変になってきたことや働き方、仕事のペースに自分を合わせるのが難しくなりました。そのようなことから多摩NT内で活動することになりましたが、多摩NTで活動をするとしてもやはり、誰誰ちゃんのお母さんという立場ではなく、自分の名前で活動したいという思いがありました。

そう思っているときに、聖蹟桜ヶ丘で「子育てをしているお母さんも元気に笑顔になろう」という企画を開催しました。その活動を通して、こういった活動を続けるにはお金が必要になるので、それならば、会社を作ってイベントを行ってそれで、お母さんを支援する事業をやってみようということになりました。

この会社では「主婦」をキーワードにして、コンテンツビジネスを行っています。例えば、主婦は何に興味があるものかといった情報を、企業や行政に対して情報を加工して売るといったことをやっています。

1月に決算がありまして、単年度で2000万円の売上があり、今年度は3000万の売上を見込んでいますので、1000万の黒字になる予定です。

<多摩NTの母親達>
私が多摩NTで活動をしていて感じたことは、NTではいろんな場面に女性が出てくるということです。しかし、実際に出てくる人は子育てが一段落して、余裕が出てきた人が殆どです。確かに子育てをしながら何かをしようとするのは大変ですし、周りにももう少し子どもが大きくなってからでも良いのではないの、と言われます。

しかし、今は子育てをしながらでも出来ることはあるのではないかと私は思うのです。日本はM字曲線の下の人は何か出来ないと言われていますが、それは競争者がいないということなので、多摩NTの母親達の能力を最大限、活かしていけるのではないかと思いました。

多摩NTは30代の母親の持っている能力は非常にレベルが高いのでは思います。例えば、パソコンの所有率は80%、自分でパソコンを操作できる人は60%、インターネットに繋いでいる人は20%になります。

このポテンシャルの高さを集結して、コンピュータを使った仕事(データの加工等)をしていけないかと考えています。また、仕事を1人1人で企業や行政から取って来るのは難しいので、組織で動いていく方法を取りました。この組織がキャリアマムです。

<母親達が本当に必要としていること>
現在、行政は子どもを3人産んだら、補助金を出したりしていますが、それらのことは母親達が本当に求めていることではないと感じます。

今、母親達が本当に求めていることは、”自分の地域で自分の力で活躍できる場が欲しい”、ということではないでしょうか。これを実現するには、既存の企業や行政では無理なのではないかと考え、フリーという立場を生かして、既存の概念にとらわれずに、母親達が働きやすい、こういう仕事がしたいという、こういうことに興味があるという、要求に応えられるような組織を作り、多摩NT地域の母親達と運営しています。

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