☆☆ 市民企画講座 ☆☆☆
主催:多摩市立公民館
企画:多摩ニュータウン学会コミュニティ部会 多摩ニュータウンにおける
コミュニティサポートを考える
(住民自らコミュニティを支える)
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講演をされる西嶋公子先生 |
コミュニティは私達の生活の舞台であり、自己実現の新たな拠点として考えられるようになってきました。多摩ニュータウンにおいても様々なコミュニティが育っていますが、きたるべき21世紀にあなたはどんなコミュニティを描いていらっしゃいますか?
今回は住民自らがコミュニティを支える「コミュニティサポート」をテーマに2回のシリーズでこれからの私達のコミュニティのあり方を考えてみたいと計画いたしました。
当日はあいにくの雨の中にも関わらず、1時間も前から多数
の方がお集まりいただきありがとうございました。38名の方の
参加を得まして、盛況のうちに第1回目を終了いたしました。
シリーズ1 「住民参加で支える地域ケアの実現」
─住民参加型地域ケア施設・ケアセンター成瀬・に学ぶ─
講師:西嶋公子氏(社会福祉法人「創和会」理事長)
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ケアーセンター成瀬前景 |
シンボルマーク |
ケアセンター成瀬は町田市成瀬地区に96年にできた住民参加型地域ケア施設です。その活動から、今後急速に高齢化の進む多摩市において住民が自ら支える地域ケアを実現していくために何が必要なのかなどについてお話しいただきました。
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市民企画講座「住民参加で支える地域ケアの実現」
−住民参加型地域ケア施設・ケアセンター成瀬・に学ぶ−
西嶋公子氏のお話
日時:7月3日(土)午後2時〜4時
場所:多摩市消費生活センター 講座室1-5 ベルブ永山3F )
■「住民参加型地域ケア」にいたるまで
1 癌の子どもたちとターミナルケア
学校卒業後、白血病の子どもを通して癌にかかわり、病院での医療と在宅医療を 考える。
治癒を望めない者への最良のケアを考え、在宅でのケアの大切さを思う。
2 在宅ケアの現状
開業医の立場で、高齢者の在宅介護をした方の苦労を知る。
介護される側も大変。血縁のみに頼ってはやっていけない。
3 両親の介護
自身の両親の老人介護を通して、家族の立場でその深刻さを体験。また、老人病 院や有料老人ホームの現状を知る。自身の行き先を考え、人間としての尊厳を保 てる地域社会を作らなければならないと、実感する。
4 「暖家(ダンケ)の会」の結成と活動
最後まで暖かい家庭で自立して生きていたい、との思いをこめて暖家の会を結
成。ダンケ=自然の力、今出来ることを何らかの形で他の人に渡す。
30から80代のボランティアが活動。利用者が受けたいケアを素人が考えること
が活動の意味。
ケアに一方通行は無いことを教えられる。
■「ケアセンター成瀬」のこと
5 「センター建設促進住民の会」の結成と活動
施設における今までのボランティアは指示された事をすることが多かったが、大切 なのは自発性(=ボランタリー)なので、参加の選択肢を広げることをめざし、5つ の委員会をつくる。
6 「ケアセンター成瀬」の完成と運営
別紙 資料(運営組織図、施設平面図など)参照
■「ケアセンター成瀬」以降の活動について
7 高齢社会のネットワーク
フォーマル(公的)なサービスはケアセンター成瀬で、インフォーマル(公的か
ら抜け落ちている)なサービスは地域住民が受け持つネットワークづくりに取り組 む。
アップルホームヘルプサービス、アップル住まいサービス、ザ・アップル(介
護用品販売)、ミニディサービスなど展開。暖家訪問看護ステーションを開設。
介護は施設か在宅かの2者択一でなく、それぞれの家庭に一番良い形を決めるこ と、納得して何かを選び、何かを捨てることが大切。

■Q&A
Q 施設が大きすぎるように思うが。
A 実際に、施設に入るとそのような印象はない。家庭と同じ雰囲気で落ち着いてい
られる。建物は階数を抑え、地域に溶け込んだ外観にしている。開所式に500人
集まる等、自分達の施設という感覚が強い。
Q 会結成後までの苦労は。
A 地域から生れた運動だが、市のゾーニングで3万6千人を担当している。
当初から参加している住民・自治会の参加意識と作る過程に参加しなかった人の
意識差。
おたっしゃ度調査など、健康度を高めるための調査で参加意識を高めることも考 えている。同じ事をする「スズメの学校」から選択肢の多い「メダカの学校」へ変わ らなくてはならない。
Q ターミナルケアを在宅で行なうことがこれから必要なのでは。
A 本人と家族が何を望むかを理解して、最も良いシチュエーションをつくることが
大切。病院か、在宅か、の選択ではない。
患者にとって良い医療ということが、まだまだ不充分。今は、医者、ヘルパーなど
誰と出会うかで、過ごし方が違ってしまう。
Q 往診について町田の医師会は?
A これからは医者も過剰時代で往診専門の先生も出てきている。
病院と在宅、両方の良いところを望んでも無理。本人と家族とがどう望むか。
在宅の看取りは子どもに死を考えさせる大事な場ではある。地域での看取りには 人間のネットワークが大切。
Q フォーマルケアとインフォーマルケアのミックスが大事と思うが。
A 企業は地域が見えないし、利益が上がらなければ、すぐ引いてしまう。
地域住民はいつかはケアを受ける立場になるので、安価なケアが続けられるし、
一人一人に合ったサービスが提供できる。
今後介護保険で自律と判定された人の行き場が大事。楽しくて出てこられる場
づくりを。
■参加者
・参加総数 38名
・学会員 11名
・一般 27名
■記録係、新井美沙子・横山真理
‖ cosmosニュース担当 ‖‖
横山 真理 (Yokoyama Mari)
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次回は、9月25日(土)に「エコマネー」を主題として、第2回
目の講演会を行います。どうぞ、また多数の方々のご参加を
お待ちしております。
シリーズ2 「エコマネーによる市民主体のまちづくり」
講師:辻 一憲氏((株)スーパーネット代表)
元気の出るコミュニティづくりの方策の一つとして現在注目されている、「エコマネー」(*)について、その基礎から,具体例までわかりやすくお話しいただきます。
(*コミュニティの中で人的・物的資源を探り出し、その需要と供給をマッチングさせる仕組みで、環境・福祉・文化・コミュニティビジネスなどに応用されています。)
※9月25日(土)開催
会場 ベルブ永山
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