よろしくお願いします。私はベネッセコーポレーションに入社して約10年目ですがそのうち2年ほど育児休暇を取得して、現在子育て中です。皆さんは子供を育てながら仕事をしていると大変だとおっしゃいますが、本人としては,それが普通の状態なので,特に頑張て、肩に力が入ている状態ではなく、ごく自然に毎日生活しているという思いで、日々過ごしています。
具体的に私がどのような一日を送っているのか書き出してみたので、子供の給食がない時期を想定して、お話してみたいと思います。
毎朝6時半ぐらいに起きて、朝食の準備と、子供、夫、自分のお弁当を作ります。それと同時に洗濯機も回して,子供を起こしてシャワーを浴びさせます。それから食事、身支度をして子供を8時に送り出します。夫と私は8時10分に同じ電車で出勤しています。会社は隣の駅なので、8時半には仕事を始めています。
ベネッセコーポレーションは一日7時間働けば、何時に出社、退社してもよいスーパーフレックス制ですので、私は8時半に出社して仕事をするようにしています。 残業のことですが、子供の学童クラブが5時までなので、だいたいその時間に帰れるように、忙しい時はお昼休みもサンドイッチをつまみながら、仕事をしています。
帰宅すると、夕食の準備をして、子供の宿題を見て、食事をとり子供と一緒に遊んでお風呂に入って、子供を寝かしつけると私の一日は終わります。夫は毎日12時過ぎに帰ってくるというような生活をしています。このように忙しい毎日ですが、家庭でも、会社でも健康に過ごせていますので,子供をしかりつけながら毎日楽しく過ごすことが出来ています。
<ベネッセコーポレーションでの仕事>
なぜ、私がベネッセコーポレーションに入ったかといいますと、仕事につく際に、男女同じ条件で仕事の出来るところに就職しようと考えました。そこで銀行、証券会社など、業種を絞らず総合職といわれるものを受けていました。その結果、ご縁があったのがベネッセでした。
入社して4年ほど小学生向けの通信教育事業「進研ゼミ」で仕事をしていまして出産のために2年ほど会社を休みました。それから、多摩にベネッセの新社屋が出来まして移転と同時に復職いたしました。復職してからは購買部でバイヤーをしています。
仕事の内容は「進研ゼミ」の教材として使うビデオ、CD、カセットなどを年間約2500万本ほど買い付けしています。
それから、環境問題がベネッセでも非常に大きなテーマと成っています。ベネッセの顧客である小さなお子さん、お母さん、妊婦さん、高齢者の方々は特に、環境のことに敏感でいらっしゃるので、ベネッセのメインのお客様に安心して持っていただける商品をしかも安い単価で品質の良いものを希望する時にお届けする仕組みを作っていこうとしています。
<子育てと仕事が両立出来た理由>
私に子供がいてもこのように仕事を続けてこられたのか考えていますと、幾つか理由があります。その中でも一番大きいのは、職場に近いところに住まいを持ったことです。それから、働いている会社がベネッセコーポレーションであることも大きく影響しています。
<住環境>
住まいについて具体的にお話しますと、今、唐木田の駅前の1階が東急ストアーになっているマンションに住んでいます。ここに住居を選んだかといいますと、ベネッセに近い駅に近い、子供の学校や学童クラブに近い、また安全に通えること、教育環境が良いなどを考えて、現在の場所に決めました。
夫は中央官庁で働くキャリアです。帰宅する時間も遅いので、物理的に家事や子育てに夫の協力は望めません。そこで、私が全部やるので、その代わり夫に通勤時間を長くしてもらうという形で協力をしてもらっています。
そのため夫は毎日1時間半ぐらいかけて霞ヶ関まで通勤して、帰りは終電かタクシーで夜中の2、3時に帰ってくることも週に何回かあります。そのため、夕食はほとんど庁舎内の食堂か、職場の近くのお店で取ることが多いようです。
<会社の制度>
子育てを続けてこられた理由として、会社の制度も影響しています。ベネッセではスーパーフレックス制で一日7時間働けば良いですし、また年俸制なので仕事はアウトプットで評価されます。ですから、時間内で良いアウトプットをする人ほど,評価が高いシステムになっています。そのために男女差、年齢差に関係なくどんな成果を出せるか,どんな仕事をするのかが重要になっています。女性が育児休暇を取って復職した後でも、評価が下がることはありませんし、不利になることもありません。
ベネッセの働き方は今までの日本の長時間働いて、残業もしてという男社会的なものではありません。女性ならではの働き方でも、評価していくのがベネッセコーポレーションです。
<市の保育制度>
それからもうひとつ,仕事と育児の両立できた理由に多摩市に住んでいたからというのが挙げられます。多摩市は保育制度が充実していて、午後7時まで、しかも産休明けから子供を預かってくれるところが多いのです。
私のように、出張もあり残業もしなくてはならない者にとって子供を7時まで預かってもらえるのは大変ありがたいものでした。私の子供は多摩市の「かしの木保育園」にお世話になりましたが、保育園の保母さんの協力なしにはこのように子供を育てては、これなかったと思います。
<子育てをフォローしてくれる環境>
もうひとつ大切なこととして、子供が病気をした時に、それをフォローしてくれる環境を作っておくことも挙げられます。
子供は急に病気になることが多いです。私の場合は、両親が秩父に住んでいますので、子供が熱を出した時夜中に車で両親のところに預けに行って、自分は朝新幹線で出張するということが何回もありました。やはり、埼玉の両親の力添えがなければここまで出来なかったと思います。
また、ベネッセコーポレーションでは0歳から3歳までの託児所が社内にあります。私も子供を3歳まで預けていました。子供のそばで仕事が出来るのは何かあった時にすぐに様子を見に行けるので安心して仕事が出来ますし、恵まれた環境にいたと思います。
<子育ての経験を活かして>
仕事の話に戻ります。現在バイヤーをしていますので、大手企業の品質保証部や製造部の部長さんとお仕事をする機会が多いのですがこれらの部署は女性がほとんど居ません。
また、私はISO取得の勉強をしていまして、そこでも自分の父親と同じ年代の方が多く取引先としてお仕事をさせて頂いていますが、女性で年齢が若いということが不利にならず、逆にかわいがって頂けて,女性という立場を利用しながら仕事をさせてもらっている状態です。
それから、自分が生活者としての視点も持てますので、それを活かして、会社のトップである福武社長や、経営の役員会でも、意見を述べたりしています。
例えば,子供を育てる上での安全ということに対して、年をとった役員ではやはり机上の話しか出来ません。その中で、自分が子育てをして経験を生かして「若いお母さんがどういったことに気を遣うのか」「どういった商品だと買ってもらえるのか」など具体的なリアリティのある意見を出せますので,仕事の上でも,子育てをしたのは役に立っています。
以上が私の暮らしと仕事についてです。