4市長サミットレポート

 

会員の山本紀子さんによるレポートです。
尚事務局の方で、該当個所には
リンクをはらせていただきました。

今日は、9月23日にオープンしました「ヴィータ・コミューネ」の8階にある関戸公民館多目的ホールで行われましたシンポジウムと7階の市民ギャラリーで開催されました写真展の模様をお伝えします。

聖蹟桜ヶ丘駅前の新しい施設の開館記念事業として、「多摩ニュータウン学会」主催で行われましたイベントの目玉は、多摩ニュータウンの4つの市、多摩市、八王子市、町田市、稲城市の市長さんが、一堂に会するという4市長サミットだったんです。
テーマは「市民と行政のパートナーシップを求めて」ということで、4人の市長さんが壇上でずらっと並んでいらっしゃるのは、本当にすごいな、もうそれだけで新しいパートナーシップの時代の幕開けかなという思いがしました。

ヴィータ・コミューネ」の新しい市の施設はどれも素晴らしいものですが、「市民ギャラリー」での初めてのイベントがやはり「多摩ニュータウン学会」主催で23日から27日まで開催されていました写真展なんです。
「私達のまち、多摩ニュータウン、ふれあい、まちなみ、しぜん」というテーマで一般の方からの応募作品約120点全部が展示されていました。これは「多摩ニュータウンへのラブレターパート2」ということで、市民の皆さんの多摩ニュータウンへの熱い思いを写真で表現してもらう企画で、以前行われましたパート1の作文に続くラブレターの第2弾なんです。
プロの方もアマチュアの方も、お子さんの作品も、それこそ全部が一堂に会した写真展だったんです。実は私も出品したんですが残念ながら受賞はできませんでした。でも皆さん素晴らしい作品が沢山ありました。そして本当に多数の市民の方達が見にこられて、皆さんやはり身近な風景や町並みが写っているので「ここはいつも通るあの風景ね」とか「ここ知ってる」とか言いながら、改めて多摩ニュータウンを見つめ直
している様子でした。
 四季折々、多摩ニュータウンの様々な表情の写真を見ているとやっぱりどこを撮っても絵になるきれいな街ですよね。この写真展はこれからも会場を移して多摩ニュータウンの各地区で開催予定です。後ほど会場と日程をお知らせします。

 さて、シンポジウムに戻りますが、多摩ニュータウンの4つの市の市長サミットに入る前に、中央大学総合政策学部、細野ゼミナールの学生さん達によるプレゼンテーションがありました。「まちづくりの新しいパートナーシップを求めて」ということで多摩ニュータウンの現状を把握した上でコンピューターによるシュミレーションなどからいくつかの提言をしたものなんです。4市長さんを前に堂々とした研究発表で素晴らしかったんです。
私も「なるほど」とうなずける内容が盛りだくさんでした。多摩ニュータウン各市ごとの人口の将来予測を基に「少子高齢化」「ゴミ問題」「都市間競争」の3つについて、今必要なことは何なのかそして今後の課題について、かなり具体的な提案がありました。
例えば、「少子高齢化」に対応するためには「コミュニティ作り」が必要で、それには今多摩ニュータウンに増えている小中学校の廃校になった施設や空き教室を利用するといいのではといったことや、ゴミを減らして「循環型都市」を目指すためには市民の意識改革が必要で何か「リサイクル祭り」のような市民の関心を集めるイベントをしてみてはどうかとか、多摩ニュータウンにある豊富な人材の有効活用のために、「人材マップ」を作成するといったようなことなんですね。
それで、どれも各市ごとバラバラではなくて多摩ニュータウン全体で考えていくことなので、市民と行政のパートナーシップももちろん必要なんですが、4つの市の行政レベルでのパートナーシップも必要なのではということなんです。

多摩ニュータウン4市長サミット
多摩ニュータウンタイムズ横倉社主提供

この提言から第2部の4市長サミットに移っていきます。
シンポジウムの第2部、4市長サミットは大妻女子大学の炭谷晃男先生をコーディネーターとして進められました。
 テーマになっていました「市民と行政のパートナーシップ」それから広域行政として4つの市とそれ以外の広い意味での多摩地域のパートナ
ーシップについて、それぞれの市で取り組んでいらっしゃることやこれ
からの方向性のお話がありました。
 八王子市はニュータウンとしては、南大沢が中心になります。まずは
市民のコミュニティ作りが先決ということで「フラワーフェスティバル」というお祭りをしたり、駅前に「フレスコ南大沢」があるんですが、ここには公民館や文化センター、図書館といった市民交流のための施設
が入っています。そして昔ながらの自然をそのまま残した長池公園は将来、市民といっしょに運営管理していく方針だそうです。
 町田市は相原・小山地区がニュータウンになるんですが、現在開発中で住民はまだあまりいないんです。でも市内には高齢者介護の支援センターを中心に活発な素晴らしい市民活動が根付いていて、行政との連携も「市民参加」より一歩進んで「市民参画」、つまり計画の決定にまで市民が関わっていくということです。
 稲城市は、向陽台と長峰そして若葉台が街開きをしました。行政と市民のパートナーシップにはなによりも信頼関係が大切で、それには常に情報公開をしていくということと既存地区の住民と新住民とが地域の役割をきちっと担って、コミュニティを作っていくことが課題ということです。

 多摩ニュータウンの中心、鈴木多摩市長は今年春の選挙戦を通じて市民が変わってきたことを痛感されたそうです。いままでは、行政に要望することが多い市民だったのが、逆に自分達の能力やパワーを提案する市民がすごく増えたということです。ですから市長は、なんにもしない市長になって市民の力を引き出すことに徹してもいいぐらいだとおっしゃっていました。
 市民が主役のワークショップをスタートさせて、第4次の総合計画を策定中だそうです。市民、NPOなどの市民団体、企業、学校すべてとパートナーシップを築いていくことが、広い意味で多摩地域を考えることにつながっていくということです。
 4市の市長さんおおかたが、図書館をはじめとする公共施設についてお互いに市民が利用しあえるようにしていければとおっしゃって
いましたので、これは実現するといいですよね。

シンポジウム第3部
多摩ニュータウンタイムズ横倉社主提供

さて、シンポジウムの第3部は、中央大学の細野先生をコーディネータ
ーとしてパネルディスカッションが行われました。
パネラーは都市計画がご専門の東京都立大学高見沢先生、自治省行政局溝畑さん、NPOフユージョン長池の富永さんで、皆さんそれぞれのお立場から多摩ニュータウンの現状について、本音の部分で提案がありました。
本音の部分ということでかなり厳しいご意見も出ていました。

先にお知らせしました写真展の日程と会場です。
10月1日、2日、3日は多摩センター地区「京王プラザホテル多摩」
10月10日、11日は南大沢地区「イトーヨーカドー南大沢店」
10月30日、31日は京王堀之内地区「全労災情報センターレインボープラザ」で開催予定です。