給食の生ごみたい肥に再生 保育園と酪農家が連携

(朝日新聞多摩版より引用)

 多摩ニュータウンの八王子市別所一丁目にある私立「せいがの森保育園」(藤森平司園長、園児百人)が市内の牧場などと連携し、給食の生ごみを使ったたい
肥づくりに取り組んでいる。できあがったたい肥は、人工的に生態系を再現するビオトープづくりに活用していく考えだ。「食べ物が土に返っていくまでの流れを、子供たちに実感してもらいたい」という。たい肥づくりは、地元の非営利団体「FUSION長池」(富永一夫理事長)の呼びかけで始まった。ニュータウンに隣接する市内の酪農家(四二)や、事業系ごみの回収業者、知的障害者の通所施設が全面的に支援。保育園の生ごみを業者が無償で牧場まで運び、牧場内のたい肥舎で牛ふんと混ぜ合わせて発酵。できあがったたい肥は障害者たちによって袋詰めされ、再び保育園に運ばれる。すでに生ごみの回収作業が週一回のペースで始まっており、たい肥ができあがる三月中旬にもビオトープづくりに入る予定だ。
 同園の庭は、ニュータウン開発で表土がはぎとられたままになっており、このままの状態では植物が育ちにくい。そこで、雑木林などから運んできた土とたい肥を混ぜ合わせ、土づくりから始める考えだ。
 藤森園長は「しっかりした土壌ができたら、多摩丘陵にもともと自生している植物をたくさん植え、丸太でログハウスを作って、子供たちの自然観察の揚にし
たい」という。
 富永理事長は「たい肥づくりは、牛ふんの後始末に頭を悩ます牧場にとってもメリットが大きい。ニュータウンの住民にとっては、悪臭防止対策になり、ゴミの減量にも有効だ。今後もさまざまな用途を考えていきたい」と話している。